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ひばり捕物帖 ふり袖小判 (1959)

幕府献上の五万両強奪事件を追って、ひばりの御存知阿部川町お七と痛快呑んべ浪人が大活躍。絢爛の七変化に唄と笑いとスリルを織り込んで繰り展げる娯楽興趣篇。 唄も踊りも捕物も日本一と噂の阿部川町のお七が、吉例舞踏祭りの舞台で「鷺娘」を踊って楽屋に帰ってきたところで、料亭の用心棒に身をやつした佐々木兵馬が酔った姿で訪れた。お七はその姿を案じて兵馬の帰参を兄の伊予守に願ったところ逆に意見され、翌日藤田屋に兵馬を尋ねたら、三鈴という娘が兵馬の世話になっていることを知る。その夜、見回りに出たお七は女スリお花の殺しの現場に出くわし、死体のそばで太田藩の刻印が彫られた小判を拾う。一方、兵馬も藤田屋を探る覆面の侍を不審に思い切り結んだら、三鈴はその侍は大田藩江戸屋敷詰の佐久間健之進だと告げる。三鈴は大田藩の御用金宰領役の奥田十兵衛の娘で、先日起きた大田藩御用金一万両の強奪に対する責を追って捕らわれた父の罪を晴らすべく、唯一の手がかりである印籠を手に、一味を探っていたのだ。そして、十兵衛の切腹は四日後の朝に行われるという。お七はお花の恋人であった稲妻の三次を見つけて小判の出所を聞きだそうとすると、三次はお花の相棒である女スリお島のところへ案内する。だがそこにはお島の姿はなく、猿若座の座付き役者中村新之丞の手ぬぐいがおかれているだけであった。そして、神田祭の祭礼の留守中に、三鈴は黒覆面の一団にさらわれてしまった。一団が向かった荒れ寺に忍び込んだお七は、仕掛けられた落とし穴に落ちてしまい、そこに「ながさき」の血文字と櫓巴の絵を書き残して死んでいる三次を見つける…。