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稲村ジェーン (1990)

いつも、なにか、ものたりなかった。若者はいつの時代も退屈な日常の中で生きているーー。夏の終わりのある朝、ロングボードをミゼットに積んでヒロシ(加勢大周)が稲村に帰ってきた。ヒロシを待ち受けていたのは、伊勢佐木町のチンピラ、カッチャン(的場浩司)だ。ボスの骨董ツボを横流ししたラテン・バンドのリーダー、マサシ(金山一彦)を追っていると言う。そんな所へ、横須賀の波子(清水美沙)という飛び切りいい女が現れる。奔放で情熱的な小さな台風、波子を中心にヒロシ、マサシ、カッチャンに奇妙な友情が生まれ始めた頃、稲村ヶ崎に台風が近づいていたーー。単なる映画音楽の枠を超えた10数曲を書きおろし、「音楽と画が均等に存在する映画」を徹底して追い求めた、桑田佳祐の初監督作品である。